環境保全型農業への第一歩に
“持続可能な超循環型農業を地球・宇宙双方で実現する”をミッションに掲げ、2020年2月に設立した名古屋大学発のグリーン&アグリテックベンチャー企業の株式会社TOWING。西田亮也さんが兄と共同で立ち上げた会社だ。使われていなかったものをアップサイクルすることで農業に活用できる資材に変えるウェイストマネジメントと脱炭素、有機転換に繋がる農業システムの構築による、環境保全型農業を推進している。
同社の開発した“宙炭(そらたん)”とは、TOWING 独自のバイオ炭処理技術、微生物培養等に係る技術と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術を融合し実用化した高機能バイオ炭の名称“宙炭”には培養された微生物が定着しており、畑に使用することで土づくりの期間を短縮でき、CO2の削減にも繋がる。また“宙炭”で育成した作物は販売時にCO2削減に貢献するサステナブルな野菜として販売が可能、販路支援も行っている。農業資材を作るだけでなく、栽培した野菜の販売までの一貫したサポート体制も同社の特徴で、理想の社会実現に向けた高い熱量の現れだ。
農家さんへの“宙炭”普及の課題とポイント
企業は脱炭素に敏感だが、農業分野での意識はまだそれほど高くはないのが現状。そこでまずは農家さんの関心が高い生産性向上や土や植物に対する効果といった直接的なメリットの訴求で普及を促した。