上世屋に合う方法で、合う人だけを迎える。上世屋ならではの移住政策

京都府北部・丹後半島の東南部に位置する山間の集落・上世屋。伝統的な棚田が広がる美しい里山に、11 世帯23 人が暮らしている。2/3 は移住者で、その半分は子育て世代。また、和紙作家、藤織り職人、クラフトビールを作るベルギー人など、コンパクトな中にも多彩な人々が暮らし、活気溢れる集落を形成していることで注目を集めている。また、「セヤハウス」という公民会を改築した建物での移住体験、美しくデザインされた公式サイトでの情報発信など、広報・移住政策のクオリティーも話題に。

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冬期収入を得るため「ジビエ」に力を入れる

これらの活動を推進している「ドチャック会議(上世屋定住促進協議会)」の中心メンバーである小山愛生(こやまひでき)さんは、2014 年に新聞記者を辞めて移住し、米農家と狩猟で生計を立てている。新聞記者時代から上世屋に足を運び、徐々に移住へとシフトしていったそうだが、自身の移住経験を活かし、いまの上世屋の移住促進に関する活動の方針を作っていったのだろうか。

「正直に話しますと、わたしがとにかく狩猟をやりたくて。ジビエの処理施設を建てるための補助金探し、というのが先にありました。しかし、農山漁村振興交付金というものをいただければ、施設を作るのに加えて、移住者の受け入れに関する活動もできるぞと」

小山さんは冗談めかしてそう語るが、そもそもジビエ施設を作ることにも集落のことを考えての理由がある。上世屋は集落を維持するために就農者は受け入れたいという思いが総意としてあるが、雪で閉ざされる冬は営農ができない。だから、冬でも収入を生むジビエに力を入れることで、就農者の呼び込みに繋げようとしたのだ。

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