NPO 法人bunkupは、鳥取大学在学中に中川玄洋さんが立ち上げた人材マッチングサービス。学生ボランティアの農村への派遣、外部人材の活用支援、地域起こし協力隊支援、関係人口創出事業、インターンシップのサポートなど、地元企業・自治体と人を繋ぐ活動を行っている。中川さん自身が農学部出身ということもあり、学生農村ボランティアとそこから派生したプロジェクトが事業の核となっており、農村ボランティア「青春16きっぷ」は2002 年から、米の生産から販売までを農村とともに行っていく「三徳レンジャー」も2009 年から続いているなど、とても継続性が高い。そもそも中川さんは、なぜボランティアの人材派遣という活動をはじめたのだろう。
サークルのようにスタートした「学生人材バンク」
「在学中に、いまでいFacebookのグループやSlackのようなメーリングリストに入り、積極的に地域の経営者や公務員の方と交流をしていました。そのときに、もっと地域と学生が繋がれるようになるといいね、という言葉もをいただいたことがきっかけです」
鳥取大学には砂漠の緑化研究のために入学。しかし、技術開発をしていくよりも、技術を持った人がどのようにそれを活かすために動くのか、という「農業×人」という点に興味が移り、大学院進学時に学生団体「学生人材バンク」を立ち上げる。最初はサークルのような感覚で、後輩に受け継いでいけばいいと考えていた。しかし、多くの学生は自分で切り拓くということをしないという事実に直面。一方で舞台を整えれば、一定数は興味を持ち取り組む学生がいるという実感もあり、大学院在学中にbankupを起業することにした。卒業と同時に鳥取県の委託事業となり20 年に渡って活動を継続しているが、活動の主役たる大学生たちは、どのような点にやり甲斐を感じ、bankupの活動に参画しているのだろう。