理念を定め、基礎を打つ。ハナビラタケに賭ける思い。

富山県高岡市で菌床キノコの生産をしている株式会社森の環(もりのわ)。シイタケやキクラゲの生産に加え、「幻のキノコ」と呼ばれるハナビラタケの生産に力を入れている。同時に循環型農業への転換も模索し、国産100%の間伐材の使用や廃菌床を肥料に変える取り組みなどにも積極的。大手生産者がひしめくキノコ生産の中で独自の地位確立を目指している。代表取締役の春日勝芳さんは元銀行員という経歴の持ち主だ。M&A により株主が変わった森の環(社名変更は2018 年)を2017 年から率いている。森の環の前身は経営に苦しんでいたが、銀行員として多くの企業の再生を見てきた春日さんは、課題は多いものの解決の糸口があると判断。代表取締役になることを引き受け、生産者向けの菌床販売が主だった会社から、チャレンジングな農業法人への変革を開始した。

INACOME

「乗りかかった船ですから、チャレンジしてみようと。農業は衰退産業だけども人の命に関わる産業です。わたし自身、農業の可能性は無限大だと信じているということも決断の後押しとなりましたね」

農業以外はやらないという意思表明のための社名

真っ先に取りかかったのは「理念」を作ることだった。倒産企業のほとんどは事業内容が多岐に渡ることが多く、軸がぶれていることが多かったからだという。コーポレートアイデンティティを作ると同時に、社名も変更。これら会社の基礎となる部分への投資は惜しまず、NTT や日本生命など大企業のコーポレートアイデンティティを手掛けてきた日本屈指のオーソリティ・中西元男氏へ依頼し、その弟子にあたる方が手掛けることとなる。

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