「どじょう」養殖で日本の原風景と食糧危機を救う/DJプロジェクト株式会社代表・嶋崎成さん

INACOMEビジネスコンテスト2024で最優秀賞に輝いたDJプロジェクト株式会社代表・嶋崎成さん。「どじょうが日本の原風景と食糧危機を救う!!」という力強いテーマのもと、休耕田の活用や持続可能な農業の実現に挑んでいます。社会課題の解決と地域の未来づくりを両立させるその取り組みは、多くの共感を集めました。今回は、受賞に至るまでの経緯や事業への想い、そしてこれから描くビジョンについてお話をうかがいました。

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参加のきっかけ

受賞を機に、多くの見学者が養殖現場を訪問

このビジネスを思いついたのは、長年営んできた食品関係の貿易事業がコロナ禍でストップし、「日本に根を張った新たなビジネスが必要だ」と改めて事業を見つめ直した時でした。以前から栄養価の高さに着目していたドジョウを、社会課題となっている過疎地の休耕田を活用して全国で養殖してもらい、当社が流通を担うことで、持続可能な農業の実現やドジョウの食文化復活、さらには食糧危機問題の解決などに貢献したいと考えました。

2024年9月には、奈良県の休耕田で自ら養殖に挑戦し成功。全国展開を進めようとした矢先、見学に訪れた友人からコンテストへの参加を勧められました。最初は「事業の宣伝になれば」と軽い気持ちで参加を決めましたが、プレゼンの手法を研究したり運営の方々にアドバイスをいただいたりと、大変勉強になりました。

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受賞後の変化

著名なニュースサイトをはじめ、さまざまなメディアで紹介していただいたおかげで、関西だけでなく関東や九州など全国から多くの方が「ドジョウの養殖を検討したい」と奈良県のほ場に視察に来られました。遊休地をお持ちの地主の方、地域に貢献したいと考える企業、自治体と連携した農事組合法人など、皆さんが積極的に学んでいかれ、関心の高さを肌で感じています。

一方、養殖されたドジョウは生産者と相談した上で当社が買い取り、活魚や加工品、非常用食品、ドジョウ料理専門店など、さまざまな形で市場に流通させていきます。この商品化についても、受賞後に多くの方々が協力を申し出てくれ、仲間がどんどん増えています。

発表後の変化

関西から全国へ、そして世界へと広がる取り組み

養殖に協力いただける方々には、稚魚の提供のほか、生産方法や水田管理のノウハウなどを共有しています。「すぐにでも取り掛かりたい」という前向きな方が多く、現在までに奈良県でもう一ヶ所、さらに大阪や滋賀、茨城や秋田でも新規参入いただけることになりました。また最近では韓国の農業法人が見学に訪れ、日韓共同企画も進みつつあります。すでに滋賀県のほ場では出荷段階にまでドジョウが育ち、近々買取る予定になっています。ドジョウの売り先が確保されていれば、生産者の方々も安心できるはず。相互に良い関係を築き、全国に広めていきたいと考えています。

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これからのビジョン

仲間を増やし、さまざまな社会課題の解決に貢献したい

引き続き養殖や商品化に協力してくれる仲間を増やしながら、2026年の初頭からは販売戦略を具体化させ、春頃にはドジョウの人工孵化と生産を管理するための設備を作る予定です。また、年の後半には生産者の方々と協会を設立し、本格的な全国展開を目指します。ドジョウ養殖は病害が少ないため、薬を使わず土のミネラルだけで栄養満点のドジョウが育ちます。これを国民健康食として流通させることで、薄れつつあるドジョウの食文化を再び日本に根付かせると同時に、メイドインジャパンの健康食品として海外に売り出すことも可能です。

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コンテストでは、審査員の方からも「環境にやさしく、休耕田問題や食糧危機問題の解消、さらには食育など、さまざまな面から価値がある」と評価いただきました。私がやろうとしていることは間違っていないと自信を深めることができ、今後はドジョウ養殖事業1本に専念し、これを深掘りしようと決意を固めました。協力してくれる仲間と共に、これからの人生をかけてこの事業を成功させたいと思います。

関連リンク
DJプロジェクト(外部Web)

まとめ

INACOMEビジネスコンテスト2024で最優秀賞を受賞したDJプロジェクト株式会社・嶋崎成さん。休耕田を活用したドジョウ養殖を通じて、地域活性化や食糧危機への備え、日本の食文化の復活を目指しています。受賞後は全国から視察や参入希望が相次ぎ、取り組みは関西から全国、そして海外へと広がり始めています。

FAQ

Q1. コンテストに参加して、いちばん変わったことは何ですか?

一番大きく変わったのは、「事業の信頼性」と「広がりのスピード」です。最優秀賞を受賞したことで、全国から視察や連携の相談が相次ぎ、自分たちの取り組みが社会的にも価値のあるものだと実感できました。また、審査員の方々からのフィードバックによって、事業の方向性もより明確になりました。

Q2. 参加を迷っている人に伝えたいことは?

完成されたビジネスでなくても大丈夫だと思います。私自身も「まずは挑戦してみよう」という気持ちで参加しました。発表の場に立つことで、自分の想いが整理され、共感してくれる仲間と出会うことができます。迷っているなら、一歩踏み出してみる価値は十分にあると感じています。

Q3. このモデルは他地域でも再現できますか?

はい、十分に可能性はあります。休耕田という地域資源を活用し、生産者と連携しながら進める仕組みは、各地の状況に合わせて展開できます。実際に奈良を起点に、大阪や滋賀、茨城、秋田へと広がっています。地域ごとの特性を活かしながら、全国で展開できるモデルを目指しています。

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