供給過剰のサービスや、成熟した産業のサービスなどは、需給のギャップがあります。また、日本のようにある程度裕福な国の消費者になりますと、人それぞれの個性というものは様々で、消費の行動(モノを買う意思決定としても)も様々なものがあります。スーパーは、お店にお客様にきてもらうことを前提として、ビジネスをしていましたが、楽天、AmazonなどのECサイトの台頭により、宅配という新しいサービスを展開しています。宅配を利用される人は、どのような人は多いのでしょうか?
買い物の時間が惜しい、共働き家庭家の外にはなかなかでることのできないシニアの人子供がまだまだ小さいため外に出れない若い主婦の人などいくつかの利用者のイメージが出てきます。何が申し上げたいかといいますと、あなたのサービスは、誰に向けたサービスなのかということを考えないといけません。特に、先に書かせていただいた(消費者の興味、行動が多様化)ような、状況の中にあっては、誰に向けたサービスなのかを明確にしないとなかなかものは売れません。士業の多くの人が展開しているサービスは、基本的にあまり誰に向けたサービスなのかということを考えていないのではないでしょうか?皆さんは、考えていますか??
「誰に向けたサービスなのか」これはマーケティング的にいえば、ターゲット選定の問題になります。ターゲット選定で事業の成否は、決まるくらいのインパクトのある問題です。例えば、会社設立業務をしている士業の人に、よくあることですが、あなたのお客様のイメージ(ターゲット)はどのような人ですか?と伺いますと、「会社設立をしたい人」との答えが返ってきます。現在のような、歴史的な競争が起きている士業の競争環境にあっては、「会社設立をしたい人」というターゲットでは、相当の広告費を投入することと、他社を圧倒するだけのサービスの優位性がないと依頼はなかなか来ないでしょう。「会社設立をしたい人」というターゲットの問題をちょっと考えてみましょう。
会社設立したいと思っている人の中にも、いろいろなニーズを持っていることがあるのはお分かりでしょうか?例えば、安く会社設立したい(ほとんどの人に共通していますが)10日以内に会社設立したい、1ヶ月以内に会社設立したい、1日で会社設立したい横浜で会社設立したい、外国の会社の小会社をつくりたい、会社設立だけでなく、面倒な法律的な手続きを引き取ってほしいなどなど。このようなニーズ以外にも、依頼してくださるお客様の状況は全く違いますよね?例えば、シニアの人が会社設立するのか、外国人の人が会社設立するのか、10代の人が会社設立するのか、女性が会社設立するのか、男性が会社設立するのか、2社目の会社設立なのか、資本金が1億円を超えるのか、資本金が100万円なのか、資本金が1円なのかなど。あなたは、どのお客様をお客様にしようと考えているのでしょうか??
この理想とするお客様を明確にしなければいけません。どの人をお客様にするのかによって、サービス内容、金額、トップページで伝えるメッセージ、サイトのデザイン、文字体、色など全てのものが変わってきます。実は、士業の多くの人がサービス内容、金額、トップページで伝えるメッセージ、サイトのデザイン、文字体、色などに根拠を持っていないと思います。根拠を、自分がいいと思うものにしていませんか?それは大きな間違いの可能性があります。大切な視点はお客様からみて、サービス内容、金額、トップページで伝えるメッセージ、サイトのデザイン、文字体、色などが良いか悪いかです。※ここでいうお客様は、ただ会社設立したいという人ではありません。先に簡単ですが、ターゲット選定のアイデアを出していますが、しっかりあなたが定めたターゲットということになります。ターゲットを定めないと、何もはじまりません。
ターゲットを定めずに、サービスをつくっている士業の人が本当に多いです。万人に満足していただくことのできるサービスは、なかなかありません。しっかりとターゲットを定め、そのターゲットのことだけを考えてサービスをつくる。そして、そのターゲットに向けて、あなたのためにつくったのが私のサービスなんですよとお伝えする。これが、トップページのトップ画像の役割です。100人のお客様がいて、100人のお客様を全てお客様にしようとするのは無理です。 どんなに強い会社でもそうですよね?トヨタ、三菱東京UFJ銀行、コカコーラ、どんなに強い会社でもシェア100%ではありません。
これは、全ての消費者が同じ基準でサービス購入をするわけではないということです。お腹が減っているとします。あなたは何を食べたいですか?中華、和食、洋食、たくさんありますが、「何でもありますよ!」というお店と、「中華専門店」があります。中華を食べたい人は、どちらのお店でも中華を食べることができます。しかし、本当に中華を食べたい人は、素直に考えれば中華の専門店を選びませんか?また、中華を食べたい人の中にも、高級中華を食べたい人もいれば、格安で中華を食べたい人もいます。これがターゲットの問題です。
あなたは、誰に対して、どのようなサービスを展開するのでしょうか?これからの時代といいますか、結構前からだと思いますが、士業のウェブ集客を成功させるためには、コンバージョン率を重視すべきです。コンバージョン率とは、100人の人があなたのHPを見たなかで、1人が依頼をしてくれたとします。この場合のコンバージョン率は1%ということになります。コンバージョン率が、何故、重要なのかというと、競争環境がとてもじゃないくらい厳しいからです。1人のお客様にHPを閲覧していただくこと自体、かなり難しくなっています。せっかくHPをみてくれたのに、ターゲットを選定できていないために、お客様から何のアクションもいただけなかったら、それはチャンスを失っているだけです。
先ほどの中華料理の話もそうです。お客様は自分のニーズを叶えてくれるところにいきます。これは、よく言いますが、 「何でもできるは、何にもできない」ということです。つまり、あなたは、誰に、サービスを提供できるのでしょうか?ここを絞りませんと、コンバージョン以前に、お客様の興味すらひくことはできません。お客様の興味をひくこと、次は、サービスの勝負にはいります。
ターゲット選定をしない限り、何もはじまりません。ターゲットの選定の仕方としましては、大きくはターゲットのニーズ、ターゲットの特徴といったものがありました。ターゲットの選定については、ターゲットのイメージ像をつくりあげることが有効です!1人の実在しそうな人にまで人を絞り込む作業、年齢、出身地、住まい、血液型、貯金額、性別などの統計学的情報、趣味、好きなブランド、ライフスタイルなどの心理的情報を組み合わせて、1人の人物までターゲットを絞り込みますと、ターゲットの行動のイメージがわきます。ターゲットは、どのような生活をしているのか、どのようなニーズを持っているのかということが予測することができるようになります。
例えば、外資系企業に勤めている人を1人のお客様像のイメージに、持った場合はいかがでしょうか??とてつもなく忙しそうなイメージではありませんか?このとてつもなく忙しそう人は、どのようなサービスを求めていると思いますか?誰をお客様にするのかによってお客様のニーズや、サービスの正しさというのは大きく変わってきます。ターゲット選定することで、コンバージョン率がよくなります。広告費用など莫大な予算を取れない場合には、コンバージョン率を上げることを考えないといけません。あなたのサービスはどのようにしてつくりましたか?何でそのようなサービスにしたのかということに理由はありますか?理由がなくてはいけません。サービスのつくりかたというとこで、是非、参考にしていただきたい方法がございます。
それは、あなたの設定しましたお客様像がほしがるサービスをつくるということです。また、そのサービスが他社では展開していない、独自の価値を有するサービスにするととてもいい状況になります。僕ら士業は、実務者であり、経営者であり、マーケッターです。戦略的にお客様から選ばれる仕組みというものをつくらないといけません。当たり前のことを、何を偉そうに言っているんだと思われるかもしれません。確かに当たり前なんです。でも、この当たり前ができている士業事務所さんは、僕が知る限りほとんどありません。士業事務所の飛躍に飛び道具なんてまずありません。どれだけ優れたサービスを、自分のお客様にご提案できるかが全てです。
サービスづくりについては、ちょっと具体例をみてみましょう!僕がコンサルティングをさせていただいております横浜の起業支援の行政書士さんの例がわかりやすいと思いますので、ちょっとご説明いたします。この行政書士さんは、起業支援業務を展開されています。具体的には、会社設立、創業融資業務、記帳会計、各種許認可の取得などになります。お客様はどのような人ですかとお話していましたところ、IT企業で働かれている人といキーワードが出てきました。
これには、2つの意味があります。1つは、まだ、起業していなく、これから起業をされる。会社に在職中ということです。もう1つは、IT企業の特異性ということです。基本的にIT業界というのは、どの産業もそうですが、でも同等、又は、それ以上に忙しい業界ですよね?そのIT業界でまだ在職している人というのがお客様ということです。何故、IT業界の人をターゲットにしたかというと、この行政書士の人がITに非常に明るく、IT関係のお話が何の違和感もなく、専門的にできるということからお客様の1人のターゲットとしまして、IT業界という切り口が出てきました!会社に在職しているだけでも、在職していない人に比べますと、相当動きに制約が出てくるのがお分かりいただけると思います。
平日は遅くまで会社にいなければいけませんし、場合によっては休日も出社ということも十分あり得ます。では、このようなお客様をターゲットにした場合に、必要となる、良いサービスとはどのようなサービスかおわかりでしょうか??(僕が今では大分仲良くなりました、)この行政書士の方とお会いした際の、こちらの行政書士さんの事務所の営業日、時間は、月曜日~金曜日の9時~18時でした。僕は、その場ですぐに失礼承知で申し上げました。○○さんは、誰の支援をしたいのですか?誰に向けてサービスをつくっているのでしたか?と。○○さんは、すぐに僕の言いたいことを理解してくださり、あっという間に営業時間などを変更してくださいました。平日は24時ころまで最大で対応可能、土日祝日もOKと営業時間などを劇的に変えてくださいました。
その結果ですが、営業時間を変更して間もなく、夜の23時にお客様からお電話がかかってきたそうです。「こんな夜遅くに親切に対応して頂いたので、是非お願いします。」とその場で、会社設立の依頼を受けることができました。その方は、10以上の競合のHPをみて、そのうち3件ほど他の行政書士にコンタクトを取られていました。私たち士業はこんなマーケットの中に置かれていることを自覚でき、改めてお客様の目線に立って、サービスをつくることの大切さ、伊藤さんが仰っているお客様目線の徹底の大切さを痛感させてられました。とご感想をいただきましたので、ご紹介いたしました。
いかがでしょうか??このように客観的にみますと、当たり前だと思われるかもしれません。しかし、営業時間というのは、あくまでのお客様目線をサービスに落とし込んだ1つの例に過ぎません。全てのお客様にかかわるサービスは、お客様の目線において作りこまないといけません!その他にも、10代の人の会社設立と、60代の人の会社設立、外資系企業に勤務している人の会社設立のニーズって違う部分がありそうではないでしょうか?この違いにしっかりと気が付き、焦点をあてまして、サービスとして解決できるようにするんです。これは、数多くの経営者が愛してやまない、かのピータードッラガーも言っております。マーケティング(=ターゲットの選定、ターゲット目線のサービスづくりなど)とは、最終成果の観点、つまり顧客の観点から見たビジネスそのものであり、それゆえマーケティングに対する配慮と責任は企業の隅々にまで浸透していなければならないと。ドラッガーは、企業の目的は、顧客の創造であり、企業の役割を、マーケティングとイノベーションの2つだと言っています。
マーケティングということの意味については、ここでは書ききれませんが、これまで述べてきておりますターゲットの選定、ターゲットの目線からのサービスづくりというのは、すべてマーケティング活動になります。ターゲット選定→そこから徹底した、隅々にわたるお客様目線のサービスづくりというものが非常に大切になります。この一連のターゲット選定から、ターゲットにあったサービスづくりを、一貫性をもって、矛盾なく築くことができるか。それが業務のコンバージョンを大きく変えることにもつながってきます。事務所の理念、取り扱い業務の理念から、ターゲットの選定、ターゲットにあったサービスづくり、そして、ターゲットにあったメッセージ、文書の書き方というところの一貫性が大切になります。
あなたのサービスの根拠はどこにありましたか?サービスの根拠は1つだけです。自分のターゲットからみた場合に、 そのサービスがどうなのかという点でした。あなたのターゲットが決まっていませんと、あなたの事務所のサービスが良いのか悪いのかということはわかりませんよね?よいサービスというのは、全ての人にとってよいサービスではありません。(そのようなサービスがつくれたら素晴らしいですが!)自分のお客様にとって、まずは、優れたサービスをつくりましょう!