モノを売るってこういうこと!経営者の視点と2つの価値 前篇

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ふたつの「価値」とは

サービスやモノが売れるためには、お客様がそもそも存在している必要があります。何故お客様は多数のサービス・モノの中から、自分達が展開するサービス・モノを買ってくれるのでしょうか?それは、比較したときに買ってもいいなと思う理由=価値があるからです。その価値もまた2つの価値に分けることができます。

1、 相対的な価値
2、 絶対的な価値
です。

相対的な価値っていうのは自分の方が安いとか、水でいうと500mlで他社が売ってるなら、我々は600mlで準備して、これは他の商品より100ml多い、だから買ってくださいというような、他のサービス・モノと比較できる要素の中で自分の方が上回っているという点です。例えば、筋肉付けたいと思っている人に、こっちの水飲んだほうが筋肉が付く栄養素が入っているから、こっちの水を買った方がいいですよ、ということです。

「あ、そうなんだ同じ値段で筋肉がこっちの方が付くんだったら、自分は筋肉つけたいからこれ買おう」って比較できるのが相対的な価値ということです。もう一つの価値が比べられない価値を作るためにポジションっていう考え方があって、自分ならではの、自分独自のポジションを作りにいくっていうのが戦略の基本的な考え方です。この考え方が、絶対的な価値=他社と比較できないという意味の価値です。自分にしかない価値と言ってもよいと思います。

美容室から考える 絶対的な価値の創造

ビジネスにとって一番大切なことは、企業はすべてお客さんからスタートするということです。お客さんがいなければ、その企業は存在している必要がない。全てはお客さんにはじまり、お客さんに帰結し、またお客さんから広がっていき地球をはじめ、周囲によい影響を及ぼします。お客さんとの関係において、僕たちはお客さんの僕たちに依頼をする目的というものをしっかりと理解し、それを確実に達成することをしなくてはいけません。ですから、ビジネスではお客さんの目的は何か、ということが一番大事なんです。

では、多くの人にとって「美容室に足を運ぶ目的って何でしょうか??」人によってもちろん異なるにせよ、多くの場合には、カッコよくなりたいとか可愛くなりたいということではないでしょうか?かっこよくなるために、可愛くなるために、美容室に行って、お金を払っているということです。

人がお金を払う理由=ベネフィットです。

もちろん他にもベネフィットは考えられます。髪の毛が伸びて邪魔なので切りたい、などのお客様の要望、目的ですね。お客さんの主な目的はわかったとします。美容室サイドが提供しているものは、カッコよくなれる、可愛くなれるということに対してのサービスとなります。結果、どのようなことをサービスの特徴として謳うかというと、いかにかっこよくカットすることができるか?という技術的な話になります。その他、オシャレな場所にあること=オシャレなイメージ店内のオシャレさのようなものを特徴としてアピールします。

しかし、上記のような美容室は大量にありますよね。結果、多くの美容室が同じようにみえてしまって、結果、安いところに行くことになります。

顧客は何にお金を払う?ベネフィット見直しの効果

美容室のお客さんに提供しているベネフィットは、カッコよくなる、可愛くなるということでした。これを変更してみましょう。お客さんの目的に沿って、もっと考えてみるべきです。

僕は美容室に行っても、すぐに美容室に行きたくなってしまいます。理由は髪が伸びるのがとても早いからです。自分的に、カッコよさが続く期間というのがとても短く感じています。美容室に行っても、直後数日などはよいのですが、1週間経って、2週間経つ頃には、少し違和感を感じるようになります。

何がいいたいか?というと、美容室に行った直後にカッコいいのは当たり前ですが、それ以外の時間軸で果たしてカッコよさをもっと持続できないか?ということを考えるべきです。すなわち、ここで気づくのは、美容室のベネフィットは、カッコよくなること、可愛くなることです。でも、このベネフィットに、そのカッコよさや可愛さが持続し、カッコ良い状態をキープし続けることができるとなれば、どうですか?

現在、カッコよさを「キープすること」をベネフィットに考えている美容室は間違いなく少ないです。瞬間瞬間のカッコよさを考えているにすぎません。ですから、明日以降美容師さんがいなくても髪を切りたてのかっこよさをキープできるんですよっていうベネフィットを打ち出す美容室が出てくれば、業界の流れが変わると思います。それでは、カッコよさを持続するためにはどのようなサービスにしたらよいでしょうか?お客さんの目的達成をすることが私たちにとって一番大切なことでしたね?

その一つのアイデアとして、例えばセットの仕方に着目してみるということです。美容室でやってもらうセットを翌日以降、自分でできる人はすごく少ない。そこを、こうすれば凄くカッコ良くセットができますよと教えてあげる美容室が出てきてもいいですね。ドライヤーの使い方はこうやってくださいね、というのをその場でレクチャーしてあげたらいいと思いませんか。また、そもそも髪の毛が伸びてしまったら、セット以前にどうしようもないので、通常のカット代金3000円に2000円プラスオンしてくれたらいつでも来てもらって構わないよという、切り放題の美容室が出てくるかもしれません。

例えば日常で、今日は久しぶりの合コンで、少しでも髪切ってカッコ良くして行きたい。でも4000円も払うほど全部切りたい、というほどでもないときに、じゃあそこの選択肢としてQBハウスに行きますか?ということです。この役割をその美容室がやったらいいですよね。待ち合わせまで時間もあるし、カフェとかで時間潰すぐらいだったら、ここの10分とかで髪5分でサッとカッコよく切ってもらえたら凄いありがたいことだと思いませんか?

僕は「チョイ切り」って呼んでるんです(笑)「チョイ切り」需要って、「チョイ飲み」とかと同じイメージでものすごくあると思っています。時間の隙間って結構あります。僕もそうでしたけど、合コン前とか、よく大学の友達とか会社の人とかと飲み会とかコンパとか行くと、なかには相当気合入れてる人が、30分前ぐらいから仕事を止めて髪の毛洗ったり、セットし直したりしているんです。それをトイレの洗面所とかでやってるんです。これは少しかわいそうだということになりますよね。

もちろんそういう気持ちも分かるんですよ。今日本当気合入れて行くんだな、という気持ちも分かるし、でもセットしたくても家に帰れるほどの時間はない。ただ、そこに短い時間で髪の毛をセットし直したいという要望、目的があるんです。そうすると、美容室さんて、今あまり稼働してない現状があるので、場所を提供してあげたらどうでしょうか。それをストック契約で積むということです。美容室サイドも稼働率100%はないので、安くても原価が回収でき、また、ストックの売上構造を持つことができ美容室の大きな問題解決になるということです。

ベネフィット変更でビジネスモデルが変わる!ストック型への転換

僕たちがビジネスをやるときに何が大切かというと、ストックビジネスに持ってかないといけないんです。なぜなら、ストックビジネスなら、固定で計上できる売上が見通せるからです。例えば、9月の時点で、10月の売り上げを見通せてる美容室さんってほとんどないということです。どうやって見通してるかといったら前年とか、前月のデータから、おおよそこれくらいですよねって予想に過ぎないんです。

これがストックビジネスであれば、単価×契約数で売上が出るということです。この売上が見通せますっていうのは会社経営上一番大切なことなんです。現在の美容室のビジネスモデルってお金のもらい方でいえば、フローでやってるということです。フローというのはストックの反対で、点でお金をもらう、ということです。通常のベネフィット:カッコよくなる、可愛いくなる、変更後のベネフィット:カッコよさが持続する、可愛さが持続する

そこで、持続させるための1つのアイデアとして、切り放題ということにすることを考えます。結果、切り放題にするためのお金のもらい方として、定額制がいいよねということになり、結果、お客さんから毎月いただく金額がストック構造に変化したということです。ストック構造にビジネスモデルが変わるとどんなメリットがあるのか、次回はその点について引き続きお話しします。

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