通常、起業といえば社員を雇い、事業をこなしていくものです。ですが、社員を雇うとなれば、その人の生活を背負うことになりますし、人間関係にも気を使う必要があり、事業にフルコミットするのが難しくなります。まして起業初心者となれば、契約関係の業務で手一杯になってしまう可能性があります。しかし、“ライター起業”では社員を雇う必要はありません。そのポイントとなるのが「クラウドソーシング」です。「クラウドソーシング」とは不特定多数の人に業務を外注することで、“ランサーズ”や“クラウドワークス”がその例になります。
WEBサービスを活用することで、オンライン上で記事の外注をしたり、編集作業をしたりすることができるので、会う必要もありませんし、電話やメールなどのやりとりも必要ありません。また、契約関係もプラットフォーム側がサポートしてくれますので、面倒な手続きも必要ないのです。
「経費」とは、材料費、労務費以外の原価要素をいい、減価償却費、たな卸減耗費および福利施設負担額、賃借料、修繕料、電力料、旅費交通費等の諸支払経費に細分する。
引用:デトロイト トーマツグループ
監査法人トーマツさんから経費について引用させていただきましたが、正直難しいの一言でしょう。簡単に解説しますと、経費とはお仕事をする上で必要になる支出のことです。例えば、「取材の際に利用したカフェのコーヒー代」や「取材の際に発生した旅費・交通費」などです。大企業、もしくは上場した企業であればこれらの勘定項目は非常に厳しく設定されており、内部監査時に不正がないのか徹底的に調査をされます。
しかし、“ライター起業”は基本的に一人会社で規模はそこまで大きくならず、経費の計上も幅広くすることができます。例えば、自宅をオフィスとしていれば「家賃・住宅ローン」、情報取集に必要な「本・情報商材」、インターネットの「通信費」、場合によっては「外食費・食事代費」も経費計算することができます。生活費の一部を経費として計算してしまうことで会社としての税金対策をすることができるのです。
“WEBライター”の1番の強みと言っても過言ではないのが「パソコン一つでどこでも、いつでもお仕事ができる」という点です。今までの働き方は、朝早起きして満員電車に乗り、夜残業をして帰ってくる、そのような形態であったと思います。しかし、新しい働き方であるクラウドソーシングやSNSを利用した“WEBライター業”は一切そのような縛りはありません。しかし、納期を守らないといけないのは当たり前のことですし、タスク管理、タイムマネジメントなど全てが自己責任となります。
前述しました通り、クラウドソーシングでのお仕事はタスク管理、契約関係などはプラットフォーム側がサポートしてくれますが、いずれ直接取引も増えてくることでしょう。「場所」は問わないというメリットを生かし、お仕事にフルコミットできる環境を構築していくことが大事なのです。
WEBサイトというのは“HTML/CSS”で構成されていますので、WEBライターにはプログラミング言語の知識が必要であります。もちろんWordに記事を書いて納品するお仕事もたくさんありますが、それでも見出しタグをつけて納品した方が親切でありますし、プログラミング言語を理解していることを発注先に示すことで継続率も高くなります。また、中にはWordPressに直接書き込んで欲しいという案件もあります。WordPressではプログラミング言語を使うことでデザインも綺麗にすることができるのでやはり知識があるに越したことはないでしょう。
そもそも記事を書く際、一番初めに行うのは競合サイトのリサーチです。競争相手の情報をインプットするのと同時に、記事の構成を練ることでSEOで負けない記事を作り上げるのです。中には自分のオリジナルの知識やノウハウだけで執筆している人もいます。しかし、大体は多くの人にそのサイトを目にして欲しいといった目的で運営しています。そんな時に戦う相手を分析せず、がむしゃらに文字を打っていても意味はありません。競合サイトを徹底的に分析することで、対策を練っていくのです。
「正しい因果関係の構築」というのは実に当たり前のことで、ここでスキルとして上げるべきではないことかもしれません。しかし、実際に記事を編集・校正していると論理の飛躍が多数見受けられたり、言葉と言葉につながりがなかったりすることが非常に多くあります。は、これは記事を書いている最中に気づけるものではありません。書き終わった後に声を出して読み直すことで発見できるミスであるので、例え1万字の記事だとしても全体の流れを意識しながらの読み直しを必ずしてください。これを続けることで自分の癖や不自然になりがちな部分を発見できます。
ランサーズやクラウドワークスで累計6万円以上稼いでいる人は全体2割以下ということをライターの友達が言っていました。なぜそのような事態が起きるのでしょうか。もちろん、私たち受注側にも問題があるのですが、実は発注側も法人ではなく素人の方であることが多いからです。実際、やりとりも雑であったり、不当な修正を求められたりすることもありました。そのような場合はもちろんプラットフォーム側に申し立てをできますが、事前にそのような事態を防ぐために私たちも行動しなければなりません。
その一つが“即レス・即納品”です。基本的に納期は5~10日以内であることが多いですが、発注してもらったら次の日に納品しましょう。そうすることによってトラブルを最小限にできることはもちろん、お客さんも喜んでくれます。オンライン上で顔が見えないやりとりだからこそ、スピード感と責任感を持ってお仕事をすることで継続的にお仕事をいただくことができるのです。また、それに伴って評価も上がるので、営業をしなくてもお仕事が舞い込んでくるようになります。スキルがない初心者の方でもライターとして活躍できるポイントですので、ここだけは最低限守っていきましょう。
「ライターを育成できるようにする」というのはさらに2つの要素に分けることができます。
①ライタースキルを言語化する
ライター業というのは誰でも始めることができ、誰でも稼げてしまうという職業になりつつあります。というのも、学生時代にレポートをたくさん書かされたおかげで、ある程度の文章力が付いていますし、ネット状のサービスも充実しています。これは入り口が広いという意味では素晴らしいことなのですが、差別化をするには難しいポイントになります。そんな状況で利益をあげていくには、やはり自分が何をできるのか、どのようなスキルを持っているのかをお客様に提示する必要があるのです。これはライターを育成する時にも必要な力で、あらかじめ“ライター育成”を視野に入れておくことでより一層具体化されます。ベクトルは多少違いますが、ビジネスを展開する際の面倒を避けることにもなるので、メモやノートにお仕事をしていく中での“気づき”を残しておくと良いでしょう。
②記事執筆の先には雑誌やサイト運営がある
「フリーライターとしてスキルを磨き、最終的に文字単価10円以上の記事を書く」を目標に“ライター起業”をするのも一つの経営方針ではありますが、そうなると受注業で終わってしまいます。特に会社を辞めて“フリーランス”に飛び込んできた方にとっては、会社員時代と同じように仕事に追われる立場に逆戻りです。そうではなく、「プロライター」→「ライター教育・育成」→「サイト運営」とビジネスを展開し、自分の労働量を減らしつつ収益を立てていく仕組みを作るのがベストでしょう。“ライターとして活躍する=情報発信の主軸となる”と発想を転換し、ビジネスとしての“ライター起業”も忘れず視野に入れておくことが重要でしょう。
ポイント②のところで解説しました通り、そもそもライターとは“情報発信・情報提供”をする人のことです。ですからTwitterやFacebookはライターにピッタリの場所になります。Twitterであれば140文字以内という制限がありますので習慣化することで、要約の精度を高めることができますし、流行っているツイートからライタースキルを取得することだってできます。また、SNSを入り口としてお仕事をいただくことも少なくありません。のちに紹介しますが、基本的に高単価のお仕事は提案や営業形式ではなく、お客様から直接お願いされるところから始まります。自分をブランディングし、“ライターとしての自分”を具体的に作り上げていくことが活躍するための大きなポイントなのです。
お仕事をいただく時は常に発注する側に立って考えることが大事です。例えば、プロフィールにライター初心者と書いてある人にお仕事を頼みたいと思いますでしょうか。発注者視点になって“つけるべきスキル”を選択していきましょう。
ポートフォリオとは実績集のようなものです。基本的にライターを選定する際、そのライターのポートフォリオを見ます。ですから、そもそもポートフォリオや執筆した記事を見せることができなければ、その時点で高単価の案件を獲得することは難しくなります。また、執筆したサイトだけでなく、プログラミングで作成した作品や画像編集スキルがわかるポートフォリオも高単価の執筆案件を獲得するのに役立ちます。サイトを制作するのにそれらの技術も必要不可欠であるからです。「ライター×IT」など他のライターとの差別化を行うことも高単価案件獲得の秘訣なのです。
記事を書く際にまず行うのが“リサーチ”です。テーマやキーワードに沿った情報をGoogleや本からインプットします。そして、構成を練りアウトプットしていく、そんな流れで執筆をするのですが、どうしても避けられないのがコンテンツの類似です。やはりネット時代となった今、世の中のほぼ全ての情報がインターネットにアップされており、クリエイターには厳しい状況です。しかし、“取材”から生まれる記事は全くのオリジナルで、コンテンツとして素晴らしいものとなります。また取材記事はポートフォリオになることはもちろん、その人脈が新たなお仕事に派生します。もちろん、長距離の移動や宿泊の可能性もあるので取材案件自体の単価も高くなります。他の案件を現地でこなすこともWEBライターはできるので大きな収入源になるでしょう。
2018年は仮想通貨が一気に話題となりたくさんの記事がネット上に出回りました。ですから、仮想通貨に詳しいライターは高単価の案件をバンバン受注し、稼ぎました。また、年末にドル円の大暴落で世間が賑わったと同時にFX関係を得意とするライターもたくさん稼いだと思います。ここまで紹介しました通りライターには他のライターと差別化をするためにスキルを身につけなければなりません。その際、好きな情報ばかりインプットするのではなく、FXやサプリメントなど“一般的にグレー”と言われるゾーンを攻めた方が良いでしょう。“一般的にグレー”というのは多くの人が疑問に思っていることであり、知りたいと思っていることになります。ですからそのニーズに答えられる力をつけることが高単価案件に直結すると簡単に理解できるでしょう。
起業を仮に会社設立と定義した場合、維持費が発生するのでお仕事を受けお金を稼ぎ続けない限り損をしてしまいます。そこで重要なのがクライアントとの信頼関係です。継続して発注していただくためにはコピペや雑な文章を書くことはもちろんご法度ですし、質の高い記事を書くのが当たり前です。“お仕事を獲得するため”にするべきことはたくさんありますが、それよりも記事の内容やメールのやりとりを勉強することが重要なのです。たくさんのメリットがある“ライター起業”を成功させるためにも参考にしていただけたら幸いです。