いざ起業をしようとしても、誰の何の課題を解決し、どういうサービスを開発しようかと思い悩むこともあると思います。多くのフレームワークがある中で今回はリーンキャンバスをご紹介します。短期間で効率的にサービスの開発に用いることができるので、新規事業の立ち上げや、顧客に対する最適なソリューションを生むことができます。
リーンキャンバスとは、指定されている9つの要素を埋めることで、シンプル且つ高速でビジネスモデルを作り上げることのできるシリコンバレーで主流のフレームワークです。ビジネスモデルを一目で確認することができるので、時間のない投資家が好んで提出を望みます。O’REILLY から出版されている書籍「Running Lean」にて詳しく紹介されています。
投資家へのピッチは勿論のこと、プロジェクトメンバーや、開発チームへの共有のために用いられることが多いです。近年では企業の中でも取り入れられており、社内ベンチャーを起こす際などにも上司への提出資料としてリーンキャンバスは使われています。
まず初めに、リーンキャンバスには以下の9つの要素があります。
1.顧客
2.課題
3.UVP(Unique Value Proposition)
4.解決策
5.顧客流入元
6.収益の流れ
7.費用構造
8.主要指標
9.競合優位性
上記の中で特に1~4を重点的に埋めましょう。リーンキャンバスの中でこれらが特徴的な部分です。まず、1と2です。顕在化している課題を元にペルソナを立てます。そこでは課題の定義は緩くても構いませんが、顧客情報は細かく指定しましょう。そしてペルソナを指定することができたら、課題意識を持っていて対象となる人物を探しインタビューを行います。インタビューをする中で、顧客の本質的な課題を見抜きます。この際に注意すべきは顕在化している課題はあくまで表層的な部分なので、その課題のボトルネックを見抜くことが大切です。ヒアリングの際は相手の言葉を解釈して聞き返してあげることで、対象者も気付かなかった課題意識を発見することができる場合もあります。
次に3です。本質的な課題を見抜くことができたら、UVPを設定します。言葉の通りその設定が「独自的」で「価値のある」ことを意識します。ここでよく失敗してしまうのが、先に解決策を考えてしまうことです。そうなった場合、「独自的」でない場合が多く、また「本質的な課題を解決できていない」場合が多くなります。なのでUVPの設計を入念に行いましょう。コツとしては、「顧客の課題を解決した姿はどのようなものか」をイメージすると良いでしょう。
そして最後に4です。解決策はUVPを満たすモノを設定しましょう。ここで複数の解決策が発生する場合がありますが、それ自体は問題ありません。列挙した中で、最も効率的に、最もコストを下げることができるなど、自分たちの重要とするものを選択することが大切です。残りは他のフレームワークと同様に簡単に埋めていくことができます。最後に全てを埋めた後、ヒアリングを行った対象者へともう一度インタビューをすると精度が上がります。そこでの反応を確認し、UVPの再設計や実際にサービスを作り始めましょう。
いかがでしたか?近年よく聞くフレームワークのリーンキャンバスですが、いまいち使い方がわからない方が多かったのではないでしょうか?本記事で特に重点的に解説した部分は初めての人ではなかなか理解し難いものです。解決策を先に埋めてしまったりした場合は、本質的な課題を解決することはできません。注意して用いると素晴らしいサービスを生み出すことができるでしょう。