ビジネスシーンでのプレゼンや報告を行う際には、正確に、そして相手が理解しやすいように情報を伝えることが重要となってきます。そんな時、伝え方の手順として頭の中に一つ雛形を持っておくと、様々なシーンで応用が利いて非常に便利です。今回は、理論的かつ分かりやすい話し方・文章作り方の順序として是非覚えておきたい「PREP法」についてご紹介します。仕事で一生懸命説明したにも関わらず、「それで要点は?」と相手に聞き返され凹んだ経験があるという方は、是非チェックしてみてください。
PREP法とは、最初に結論を述べ、次にその理由、そして具体例(或いは事実)、最後にもう一度結論を述べて締めくくるという文章構成の手法です。PREPというのは見ての通り、それぞれの英単語の頭文字(Point・Reason・Example・Point)をとったものです。PREP法を用いると要点が分かりやすく全体的に簡潔明瞭で、説得力のある文章を作ることができます。結論を先に述べるため、相手に自分が主張したい意図をしっかりと伝えられるのです。
普段のプレゼンや営業先のセールストークに取り入れるのはもちろん、忙しい人相手に手短に提案を行いたい時にもPREP法は向いています。また報告書やブログなど、文章で情報を誰かに伝える時にこの方法を意識すると読み手への内容の伝わりやすさが数倍アップします。
では実際に、PREP法を使うとどのような文章ができあがるのでしょうか。具体例を元に使い方を見ていきましょう。
①Point:まずはじめに結論(自分の一番言いたいこと)を述べます。
例)私は、この商品にはA案のパッケージデザインがいいと思います。
②Reason:①の結論に至った理由を簡潔に言います。
例)なぜなら、今回の商品テーマは「若さ」と「挑戦」となっており、目を引くビビットカラーを取り入れたA案がイメージに最も適しているからです。
③Example:具体例もしくは事実を分かりやすく伝えましょう。下の例では事実を述べています。
例)B案とC案は既に店頭に並んでいる商品のパッケージデザインと類似している点が幾つかあり、商品を手に取った時の新鮮味に欠けてしまいます。また先日1000人のユーザーを対象に行ったアンケート結果から、ターゲットとなる20代の女性はバステルカラーよりもビビットカラーを好む傾向があると分かっています。
④Point:最後にもう一度、結論を明示して締めます。
例)したがって私はA案のロゴデザインがいいと思います。
いかがでしたか?理論的に話すのが苦手だという人はまずPREP法を取り入れてみると、分かりやすい会話のコツが掴みやすくなります。慣れないうちはいきなり話すのではなく、一旦紙に言いたい内容を書き出して順序を整理すると良いでしょう。私はこう思います→理由は~だからです→例えば~という場合があります(~といった事実があります)この流れさえマスターしてしまえば、どんなシーンにも応用が利きます。難しく考えずに、まずは意識的に話の内容をPREP法の構成に当てはめて相手に伝える習慣をつけ、さらなるビジネススキルの向上を目指しましょう。