

地域で活躍する多様な起業家を特集するこの企画。今回は鳥取県を代表して特定非営利活動法人学生人材バンクの中川玄洋さんのお話をお伺いします。
ー早速ですが、中川さんがされている事業についてご紹介いただけますでしょうか?
中川)学生人材バンクでは「大学生と地域をつないでそこに価値を生み出す」ことを軸に事業を行なっています。人づくり・場づくり・縁づくりの3つが事業の軸で、例を挙げると、地域の中小企業へのインターンシップを運営したり学生が地域で活動する学生プロジェクトの伴奏支援を行なったり、農山村へのボランティアの派遣などを行なっています。大学生以外向けの活動でいうと、地域おこし協力隊の支援も行なっています。
ー学生人材バンクは2002年設立ということで、NPOの中では老舗の部類に入るかと思います。NPO経営は難しいと言われることが多いですが、どのように経営をなされてきましたか?
経営面でいうと、人づくりと縁づくりが主な収入源になっています。人作りとしては人材育成や研修、インターンシップの企画運営など、縁づくりではボランティアのコーディネートや人材獲得支援を行なっています。色んな経験を積みたかったり仕事を探したりしている若者と活気や人手を求めている企業とを繋いだり、人と組織の問題を解決することでお金を稼いでいますね。最初の頃はマネタイズのことを考えずにやっていて苦しい思いをしたので、理念だけでなく経営とのバランスが大事だなと考流ようになりました。同じことで苦しんでほしくないので、後輩にもマネタイズについては色々とアドバイスをしています。
ーありがとうございます。なんだか地域に特化した人材系企業のようですね。「若者×地域」をメインに事業を展開されていますが、どのような思いで創業されたのでしょうか?
そうですね、鳥取大学在籍時代に地域の人と繋がりがあったんですけども、それが創業のきっかけになっています。「お前面白いな!」みたいに色んな人に言ってもらえて地域の仕事とか色々とお手伝いしているうちに学校では教わらない社会の話を聞くことができて、それが面白かったんですよね。
で、「この経験を色んな人に広めたい」と思ってサークルみたいなノリで立ち上げました。

ー地域の方との繋がりが創業のきっかけだったのですね。そこから今まで20年近くもの間、色々と難所はあったかと思うのですがどのように運営されてきたのでしょうか?
最初はサークルノリで活動してたんですけども、2005年頃から活動を本格化させていきました。覚悟を決めたのは修士課程2年目の時でしたね。そのころは、人材バンクの仕事がうまくいってきて就活をおろそかにするようになっていました。研究室の先生もいなくなって好き放題していたんですが、1月には仕事も就活も受験も全て頓挫してしまいました。当時は人材バンクの仕事は片手間程度に思っていたのですが、この機会に事業についてよく考えました。
「地域の人から仕事で声をかけてもらえるし、大学生は機会がなかったらテキトーに大学生活を過ごしてしまう。この事業にはやる価値がある!」と考えるようになり、バイトしながらになってでもいいからこの事業は続けていこうと思いました。もちろん最初は人材バンクの仕事だけで食べていけなかったので、非常勤での仕事も個人でしていました。当時は意識してませんでしたが、今でいう複業をしていたことになりますね(笑)
ー大学を卒業するタイミングで大きな決断をされたのですね。経営者として世の中の流れをキャッチアップするとなると、地域と都会ではどうしても情報格差が課題になるかと思います。そういった部分はどのように解決されていますでしょうか?
情報交換でいうと、コミュニティをうまく使っています。昔たまたまNPO法人ETICのイベントを紹介されたことがあって、それをきっかけにチャレコミに参加するようになりました。チャレコミはチャレンジコミュニティの略で「地域における挑戦の生態系作り」に参画している人たちの集まるコミュニティです。
この場所が自分のネットワークの土台になっていますね。チャレコミの人達からいろんな情報をもらったり講演に呼んでもらったりということもよくあります。

ーコミュニティを活用されているんですね!どのようにしてコミュニティに馴染み、自分のポジションを作っていかれたのでしょうか?
ネットワーキングやコミュニティへの貢献に関して、できることはなんでもやるという気持ちでやっています。最近はあまりできていないけども名刺交換した後はお礼メールを送ったり、ファシリテーションも板書も司会もやるようにしています。あとは、「情報は発信するところに集める」ということで簡単なメルマガを週1ぐらいで送ってたこともありました。貢献することで声をかけてもらえるようになりましたし、まずはGIVEをするというのがポイントかなと思います。
ー実際、後輩の相談に乗ったり若者向けにnoteなどで記事を書かれているところからもGIVE精神を感じます。若者向けの事業をされていることにも関わりますが、ご自身よりも年下の世代の方とはどういうことを意識して関わっているのでしょうか?
デジタルネイティブとかもそうですけど、基本的に自分たちより若い世代の方が優秀だと思ってるんですよね。みんなチャンスがあるのに、モチベーションみたいな問題で進めなくなってしまうのは勿体無いなと思っていて、そういった問題を一緒に乗り越えるサポートをしようという気持ちで若い人と関わっています。

ーnoteでも若者に優しい言葉をかけていて相手のことをよく思っているのが伝わってきます。中川さんが今後挑戦していきたいと考えていることについて教えていただけますでしょうか?
今提供しているプロジェクトは期間が長めのものが多いので、期間が短いものも企画してコーディネートしていきたいなと思っています。長期のものはもちろん色んな体験ができるという意味では良いのですが、参加する双方にとって負担があるのも事実なのでもう少し手軽に参加できるプロジェクトを作ることでより多くの方に機会を提供していきたいです。
ーこの記事をご覧の方は地域や起業に関心のある方が多いと思います。そのような方に対して何かメッセージがあればお願いします。
鳥取で20年近く活動していて色んな知見やコネクションがあるので、鳥取で何かしてみたいという方はぜひお声掛けください!昔「会いに行ける玄洋さん」という企画をしたぐらいですし、本当に気軽にお話しできればと思います。一緒に鳥取を盛り上げていきましょう!
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