この秋開幕予定の、日本初となるプロ卓球リーグ「Tリーグ」。アマチュアチームとして日本卓球リーグ1部に所属する沖縄本拠の卓球クラブチーム「琉球アスティーダ」は、世界最高峰の選手を招いてプロチームを組織し、このTリーグに参画しています。2018年3月、琉球アスティーダの運営会社代表に就任した実業家の早川周作さんは有力選手獲得や他業種連携に奔走。苦境のなかから歩み始めたその激動の人生と経営思想から、Tリーグとアジアの中心である沖縄への思いを伺いました。
身一つから始めた経営人生で見いだした「共生」
いくつもの谷を越えてきた「セルフ・メード・マン」
自己紹介
早川と申します。現在、SHGホールディングス株式会社をはじめ複数の会社経営に携わっております。今、スポーツにハマまっておりまして、10月24日に開幕される、卓球のプロリーグ「Tリーグ」のチーム「琉球アスティーダ」のオーナー兼社長も務めています。※Tリーグ:プロ選手が所属する世界レベルのチームから、趣味として楽しむ地域のチームまで、国内の卓球チームが各カテゴリーに分かれて参加するリーグ構想。日本初の卓球プロリーグとなる。2018-2019シーズンは10月24日の男子開幕戦から3月17日の男子ファイナルまで公式戦が開催される予定。(https://tleague.jp/)
簡単な経歴を申し上げますと、19歳で親父が会社を潰して蒸発しております。そのなかで新聞配達をやってお金を貯めて夜間の大学に進学いたしまして。大学1、2年生で法律事務所に務めて、大学3年で創業した会社がたまたま急成長して、その会社を25歳で売却しました。2年半ほど羽田孜元総理大臣のもとで秘書をして、28歳で衆議院選挙にチャレンジしたのですが落選しまして。そこで非常に大きなお金を使ってしまって2年間浪人生活をしてこちら(ベンチャー業界)に戻ってきました。
最初の創業期の資金調達とかいろいろな成功事例に基づいて、いろんな会社から「社外役員になってくれ」「顧問になってくれ」という話がものすごくきたので、そこから「ベンチャーマッチング交流会」という経営者ナンバーワンの団体に発展したんです。1社では弱いのが、お互い手を取り合ったら結果的に大きな力になる可能性がある。戦う時代ではなくて、共に生きる時代だよというテーマで、ベンチャーをマッチングさせる会を全国でやって、会員さんが6000社くらいまで拡大していったんですね。
そのなかで3年くらいでグループも落ち着いてきたので、飲食をやったりネイルサロンを一気に7店舗、8店舗買収して黒字化して売却したりとか。本来、強い地域、強いもののために社会基盤が働くわけではなく、弱い地域、弱いところに光を当てていかなければいけない。親父が蒸発したとき、市や県に相談しに行ったら「お前たち、住むところがなくていいんだよ」と言われたもので、社会的な基盤や光の当て方をどう変えていくかを考えたときに、僕にとってベンチャー支援がいいなと。ベンチャー支援をしていくなかで、50社以上のスタートアップに出資したりとか、個人的に上場会社、未上場会社含めて95社、社外役員や顧問をやらせていただいています。
挑戦の可能性を体現する卓球というスポーツに共感
そのなかで今回、卓球プロリーグの琉球アスティーダを引き受けたのもですね。4大会連続オリンピックに出ている、大学の先輩の松下浩二さんという卓球業界のレジェンドから突然「5歳で始めたスポーツで、15歳でメダルが取れる可能性がある。また、沖縄という立地、貧富の格差が非常に拡大する環境の中で、お金をかけずしてもチャンスが与えられる。そういったスポーツって卓球以外にありますか」って聞かれたんですね。※松下浩二:一般社団法人Tリーグチェアマン。日本人初のプロ卓球選手。バルセロナから4回連続でオリンピックに出場。https://tleague.jp/organization/
僕の志はやっぱり。お金がなくても、コネがなくても、どんな環境にいたとしても、夢は実現できるんじゃないかということをずっと言い続けてきています。こどもたちや、これからの夢が失われていく時代に、張本智和選手だとかいろんな選手が10代で活躍している。※張本智和:木下マイスター東京所属の卓球選手。2003年生まれ。最高世界ランク8位(2018年7月)。https://tleague.jp/team/kinoshitameister-tokyo/player/?pno=2
そうしたスポーツでオーナー社長としてプロ球団を引き受けるということ自体、スポーツ業界に対してプラスになるのでは、と引き受けてしまったんです。(琉球アスティーダでは)日本人最高位(世界ランキング7位)だった丹羽孝希選手、荘智淵という世界卓球でも3位の台湾のオリンピック選手と選手を固めて、開幕に向けて準備を着々と進めております。

琉球アスティーダの丹羽孝希選手

早川氏と琉球アスティーダ所属の台湾出身選手 (後列左:陳建安選手、後列中央:江宏傑選手、後列右:荘智淵選手)
体調・時間・予算の三大管理が基本中の基本
7年ほど前、落ち着いたんで沖縄に移住して月半分沖縄、月半分こちら(東京)という生活をしているという状況です。今、トライアスロンにハマっていまして。トライアスロンって面白いスポーツですね。泳いで、自転車に乗って、走るんですよ。なんでこんなことやるんだろうと最初思ってたんですけど。昨年の9月にカナヅチだったんですよ、僕。泳げると思ってたんですよ。妻に泳いでいる姿を見せたら「泳いでいるの? 溺れているの?」と聞かれて。そこで初めて「ああ、僕って泳げないんだ」と気づいて。5月のハワイのホノルルの大会まで(練習を)やったら当然余裕で完走できましたし、今も昨日も8キロ沖縄で走ったり、一昨日は60キロくらいバイクで走ったり。健康がなかったらやっぱり何ごとも実現しないと思っています。
10年近く前から言っているんですが、体調管理。そして、時間管理。時間をどう味方につけるのか。つまり、今やれば1分で終わることが、たとえば30分後やると5分かかってしまう可能性がある。時間をどう味方につけて、どれだけ効率的にいろいろな案件を取り込んでいけるのか。あと最後に、予算管理。予算管理というのは、どういう予算を設定して、そこに対してどう実現していくのか。そこに対して3つのお金があります。
・日銭を稼げるビジネスモデルを持っているのか
・資金繰りに困らないビジネスモデルを持っているのか
・内部留保を高めて次の一手を打つことができるビジネスモデルを持っているのか
その3車輪が回っていかなかったら事業はどこかで滞ってしまうんですね。
いろんな起業の顧問をやらせていただく中で、企業に3つのうちどのお金が足りていないのか、それを分析した上でどんな事業戦略を組んでいけばいいのか、ご提案をしているといった感じです。