地域で活躍する多様な起業家を特集するこの企画。今回は大分県別府市で、年間300人以上の起業相談を受けながら、シェアオフィスAlliance Social Share Office Beppuを運営している宮井智史さんにインタビュー。多くの未来の起業家を見てきたからこそわかる、地方で活躍できる起業家の特徴やビジネスアイデアの見つけ方、起業家同士の繋がり方や情報収集についてお話していただきました。

シェアオフィス、Alliance Social Share Office Beppuの室内。レトロな雰囲気が漂う。
シェアオフィスを運営しながら、年間300人の起業相談
ーまずはじめに宮井さんの自己紹介をお願いします。
宮井)宮井智史です。大分県の別府市で、シェアオフィスAlliance Social Share Office Beppuを運営しながら、起業支援をやっています。だいたい年間で300人の起業相談を受けています。もともとは福岡出身で、大学卒業後フリータを経て、ITベンチャーの初期メンバーとして半年間働いていました。その後、縁あり、弊社がシェアオフィスを運営させていただいているビル、アライアンスタワーZのオーナーのお誘いで大分県別府市に移住し、8年勤めさせていただきました。さまざまな経験を経て、5年前に独立しました。
ー別府でこういう事業がしたいからというよりかは誘われたから来たというような印象を受けたのですが、いかがですか?
そうですね。正直、最初はノリで大分に来ました。別府は温泉もあるし、海も山もあるし行こうかなくらいのテンションでしたね。完全に(笑)
別府にきて8年経っても、心の中では、いつか福岡に戻ろうと思っていました。大分県と福岡県は隣ですが、方言が抜けずに「福岡の方?。」などと移住しても言われました。移住当初は誰も知り合いがいませんでしたしね。なので、ずっと別府にきたよそ者の感覚でした。でも、独立して自分でやっていこうと思った時に、どこで事業を行うのかと改めて自身に問い、別府を選びました。いつの間にか別府人になっていたのでしょうね。今は別府のために貢献したい気持ちが強いですし、地域活動にも積極的に参加しています。
地方でうまく活躍できる起業家はとにかく頑張ってるし、明るい

別府の街並み。温泉はもちろんのこと海も近い。
ー年間300人の起業相談にのっているとなると、起業してうまくいく人の特徴などわかるようになりますか?
なりますね。地方でうまく活躍できる起業家の1番の特徴としては、とにかく頑張っていることですかね。何ヶ月も会ってなくても、ゴリゴリやってるんだろうなと感じれる人はうまくいってます。効率を追求するのも大切ですが、とにかく頑張る。これに尽きます。あとは、明るいこと。明るい方が周りの人から好かれますし、うまくいく人の特徴ではあると思います。
ーでは反対に、うまくいかない人の特徴としては暗い人なのでしょうか。
暗いというより、物事を決めきれない人はうまくいかないですね。結局悩んでいるだけで、前へ進まないから、起業したとしても何も成し遂げられません。物事を決断するためには、自分が何をしたいか、ビジョンを明確にしておくと進めやすいと思います。何がしたいかわからなくなって、どちらの方が儲かるかを基準にしたり、常に楽な選択をし続ける人はすぐ諦める人が多いです。
地方でこれだと思えるビジネスを見つけるためには、自分の人生を思い返すことが必要。

イエメン出身の元留学生が別府で起業。大分県庁で知事を囲んでの集合写真。
ーでは、地方で自分のやりたいことであり、これだと思えるビジネスを見つけるためにはどうするのがいいでしょう。
自分の人生を思い返して、起業したいと思った最初のターニングポイントを把握することですかね。なぜその事業を行おうと思ったのかが重要なのです。例えば道路に転がっている石を見て、「危険だ」と思ってそれを解消するために事業を始める人もいると思います。起業のきっかけは必ずしも人生が変わるような大きな出来事である必要はないと思いますね。
何に気付いたから事業を始めようと思ったのか。、それを知ることが大切だと思います。私は起業したい人には必ず「あなたの人生はどんなだった?」と聞くようにしてます。なぜなら人生の中のどこかのポイントで感じたことを事業の軸になるからです。深くその経験を思い返してみて、そのテーマにたずさわりたいのであれば、あとは自分を信じて進んでいく必要があります。あとは何より、自分の実体験を元に熱い思いを持って事業を始めようとしてる人は応援したくなります。
コミュニティに加入しキープレイヤーと繋がっていれば、多くの人と繋がれる。

創業セミナー後の飲み屋での一枚
ー起業のアイディアを見つけた後に必要になることはなんですか?
起業家の横の繋がりですね。ただ真面目なイベントだけに参加するのではなく、イベント後の飲み会に参加することが大切だと思っています。飛び込み営業でどれだけの人と知り合いになっても本当の意味での関係は構築できないじゃないですか。飲み会で本音で話すことで、表面上だけではない繋がりができますね。あとは、別府に遊びに来たい人を案内したり、移住計画というコミュニティにも入っているので全国の人たちと繋がる機会があります。もちろん飲みにもいきます。情報収集や、横のつながりを強化したい人は気の合う友達を作る感覚で自分が楽しめそうなイベントやコミュニティに参加してみるのがいいんじゃないかな。
ー宮井さんご自身はどのように情報収集を行なっていますか?
最新の情報という観点だと、正直そこまで自分から拾いにはいってないです。ただ、年に一回は地域の勉強会に参加するようにしてます。どうしても特定分野の最新情報が欲しいとなれば、地域にいる詳しい人を探したり、紹介してもらえますし、自分より専門家がいくらでもいるので、最低限の範囲で、全てを自分で持とうとは思ってないですね。必要な情報があれば、周りの専門分野を持った人に聞いてみるのが一番近道かと思います。
民間事業者同士は話し合えば、しがらみは生まれないと思う。

よく昼食を買いに行く総菜屋など。何気ない景色が多くある別府はたまらない。
ー地方での起業を考えた時にしがらみなどネガティブな問題もあるかと思うのですが、宮井さんの周りではあったりしますか?
特に感じないですね。民間や個人事業主同士は話し合うことができますし、仮に事業アイデアが似ていても共存できると思います。また、行政ともお仕事をさせていただく際も、役割がきちんとわかれていれば問題は回避できています。しかし、大手企業が別府のような地域に入ってくると驚異的ではありますね。金銭面や人手ではなかなか叶わないですから。大手企業に負けないためにも、僕たちは地域内での横同士の繋がりなどソフト面の強化をしています。繰り返しにはなってしまいますが、地方で起業するにあたって、人との繋がりは大切にした方がいいですね。
起業支援から発展して、別府のまちに還元していい環境にしていきたい
ーここまで多くの起業家の相談にのってこられたと思いますが、宮井さんの今後の目標は何でしょうか。
最近は地域の子どもたちを。伸び伸びとしたいい環境で育てたい思いが強いです。また、起業支援から発展して、地域にも還元していきたいです。
子どもの学校のPTA会長もやっているのですが、これも地域に還元したいとの思いからです。地域への還元としては、今はまだない新しいものをつくり続けたいと思っています。例えば、別府は観光地として旅行者が訪れるスポットは多いのですが、地元の人が屋内で遊べる施設が少ないんです。今後はそういう場所をつくってみたいですね。
ー最後にこれから地方で起業する人に向けてアドバイスをいただけますか。
起業は大変ですし、お金の面でも厳しいことが続きます。起業せずに、会社員として雇われていた方が幸せな場合もあります。それでも、起業をしたいというなら私は全力で応援します。大変ではありますが、楽しい世界がそこにはあるはずです。起業したいが決断はできていなくて迷ってる人、特に別府や九州で起業を考えている人は、話を聞きますので、ぜひ相談にきてください。
別府のシェアオフィスAlliance Social Share Office Beppu:公式HP
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