30歳か60歳で起業する!
経歴は
大学を卒業後、新卒で日系のコンサルティングファームに入社しました。そこでもの製造業のお客さまを相手に5年半ほどコンサルを経験。製造業というと第二次産業がクライアントになるのですが、「ものづくり」と広く捉えると第二次産業だけでなく、第一次産業も範疇に入ってきて、そこにある課題に着目するようになりました。ただ、第一次産業でコンサルティングという観点で課題を解決することには限界があると感じたのです。
そこで何かやった方がいいと思うようになり、自分たちでサービスをつくることができる“起業”という選択をしました。とくに当時は、5つほどのプロジェクトを並行して担当していたのですが、自分の中では1つの企業や事業に集中することができない感覚がありました。ですので、一つの課題に尽力することによって、もっと大きな仕事ができるのではないかと考えたのです。そのタイミングで、課題があると感じていた農業にあらためて着目し、最終的には起業するに至りました。
30歳で起業された理由は
「起業」ということを考えた時に、当時は起業するのであればタイミングは30歳か60歳の時ではないかと思いました。結果的に30歳で起業することになったのですが、60歳というタイミングは、退職金を得て、知識や経験も持った上で起業するという形になる一方で、30歳の場合であれば、たとえ失敗しても、再就職して働くことができ、起業で借金を背負ったとしてもその後に返していける。そう言った意味で思い切って勝負できるのが30代の強みだと思います。
また、若いうちにどんどん挑戦して、その経験を活かすというのは、結果的に転職にも有利にはたらくのではと思います。ですので、リスクというリスクはほとんどないと思います。少なくとも、命に関わるリスクではないですよね。たとえば、家を購入するのでも数千万円の借金を背負うことになります。それもひとつのリスクです。そのようなリスクをとるのか、それとも起業してリスクをとるのかは、それぞれの判断によるものではないでしょうか。
川岸さんにとっての起業の魅力は
農業の課題を解決するということに興味をもったこと、そしてその問題解決に尽力できるという部分で魅力を感じました。とくに農業全体で考えると、出荷額ベースで8兆円規模の市場です。ただしこれだけ大きな市場でありながら、産業構造として変化がないのが実態です。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの動きもありますが、大きな変化の兆しはまだ見えてきません。むしろ、これから変わっていく可能性がある。そのような変化が起こる状況において、たとえベンチャー企業であっても世の中にインパクトを与えられるようなポジションを確立できるのではないかと思い、ビジネスチャンスとしてのおもしろさも感じて起業したのです。
人が集まっているところで売るという発想
事業内容は
我々の事業は、冷蔵庫を企業に置かせていただき、そこで野菜や果物などをその場で食べられるような形で提供するサービスを展開しています。
キーワードは「心と体の健康」です。タグラインとして「Deliver Your Next Power」ということを掲げていますが、新鮮な野菜や果物を日常的に摂取していただくことで明日の力がつく、つまり私たちは「明日の力をお届けしている」ということになるので、それを意識して事業を進めています。とくに一人暮らしのオフィスワーカーなどは、つい栄養が偏りがちですのでOFFICE DE YASAIでバランスをとってもらえればと思っています。また、地方の特産品など、普段は接することがないようなものも提供しています。職場にいながらにして、地方のものに触れられるというのは楽しいですし、新たな発見につながることも少なくありません。